コラム

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建築家になる、ふたりで!

「先生から紹介され、面白そうなので息子に参加させたい」というお父さんから、近未来ハイスクールに高1男子2名の申し込みがありました。当日(3/25)は学校指定の同じ紺色のセーターに白いシャツを着た、顔がそっくりな男子が参加していました。二卵性の双子でした。

終盤のプログラム「興味のある職業人の話を聞く、フリートーク」の時間に、二人が訪れた机は建築関係の松山さんとKさんのところでした。二人とも一級建築士の資格を持っていますが、一方の松山さんは個人事務所で働きます。住宅設計をてがけるので、平日に働く施主さんの休みに合わせて土日に打ち合わせが入ることもしばしば。もう一方のKさんは一部上場の鉄鋼メーカーで鉄塔の設計しています。平日は定時に会社へ行き、ほぼ同じ時間に家へ帰ります(忙しいときは遅い時間の定時帰宅です)。仕事の内容も働き方も異なる建築関係者でした。

もともと建築に興味がある一人は、松山さんやKさんが話す内容を一生懸命メモしていきます。でも書きたいことがあり過ぎて、だんだん追いつかない。すると、もう一人のエンジニアを希望している兄弟が「ここからはぼくがメモするよ!」とサポートします。

そして職業人二人はこんなアドバイスをします。

「建築家とエンジニアは、建築という分野では役割分担ができるケースもあるよ」

二人の目がさらに真剣になっていきました。
終了後、彼らはお父さんにこう伝えます。

「双子の兄弟で建築家になって、会社をつくりたい」

松山さんに伝えると、
「嬉しい!ほんとに仲良しで微笑ましい双子くん達でした。二人とも賢く、積極的で優しいから、きっと愛される建築家になれるはず!私も頑張らなきゃ〜」

建物を作るときには、お金を出して建物をつくる施主、土台を作ったり、建物を建てたりする人など多くの人が関わります。その調整にコミュニケーション力が必要だということを、以前松山さんから聞いたことがあります。知識や技術も大事ですが、「愛される」も大切な要素なのです。

当日は、彼らが通う学校の先生もアドバイザーとして参加していました。お父さんにこのイベントを紹介した先生です。

「とても仲の良い兄弟なので、夢を実現して欲しいと思います。
こんな素敵な出合いがあったことに感謝感激です。ありがとうございます!」

10年後くらいの近未来に、双子の建築家が自分たちの建物の前で立っている写真を、近未来ハイスクールに送ってくれるのを楽しみにしています。

opnlab 小林

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