コラム

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大切な人を看取りたいから医師に〜進谷 憲亮

進谷 憲亮/内科医・東京都立多摩総合医療センター

進谷 憲亮さんは九州大学卒の30歳の若手医師。在学した九州大学には連携した病院が多数あるにもかかわらず、東京へ飛び出して東京都立多摩総合医療センターに就職します。

お医者さんになる動機としてよく聞くのは、自分もしくは家族が大病をしたときにお医者さんが助けてくれたから。

けれども進谷さんは少し違います。
「大切な人を看取りたいから」
その動機は、熱いというよりは、温かいものでした。

年齢が上がるほど、最期は静かに大切な人と過ごしたい。家族や身近な人を大切に思う進谷さん。何かあったらこのお医者さんに自分の家族も委ねたいと、ふと思ってしまいます。

8年前、私の親が救急で運ばれて最期をむかえたのが、進谷さんが現在勤める病院でした。担当されたお医者さんが、ギリギリまで必死に心臓マッサージをしてくれた様子を見ながら、自分の気持ちを整理していったことを思い出します。

進谷さんは言います。
「時代によって医療に求められるニーズは変化し、それに伴って医療者の役割も変化します。

これからは病気や怪我・障害を診るだけでなく、その人がどんな価値観を持って、どんな暮らしをしているのか、そういった背景も踏まえた上での総合的なサポートが医療者には求められる様になります。

そのためには、医療以外の専門家と連携したチーム医療が必要となります」

進谷さんは、出身の博多で医療関係の特定非営利活動法人を立ち上げ活動したり、東京で近未来ハイスクールや他の活動などもにも参加しています。医療関係者以外の人ともつながり「多様な背景の、さまざまな暮らしをしている人々」に対する医療の土台を着々と作りつつあります。

来年度からは「与えられた資源・環境下で、自分に出来ることを模索し、目の前の人のニーズに最大限で応える」という医療者としての感覚を鍛えるべく特定非営利活動法人JAPAN HEARTのボランティアメンバーとして1年ほどミャンマー・カンボジアといった途上国での医療支援へ行く予定です(現在、申し込み中)。

近未来ハイスクールで話を聞けるのは、貴重なチャンスです。

途上国から、さらに素敵な医師となって戻ってきて、日本の医療に貢献するのではないかと期待が高まります。

(近未来ハイスクール 小林)

進谷さんが登場する近未来ハイスクール「医食同源」は2017年11月5日 開催。
https://www.kinmirai.co/2017/10/04/ishoku/

 

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