開催レポート

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安定と「回遊魚」!? 〜12/22近未来ハイスクール「職業人との対話」 大学生ボランティアレポート〜

2018年12月22日(土)、「楽しく生きる〜近未来の安定志向を考えよう〜」と題した近未来ハイスクールを、武蔵野大学附属千代田高等学院にて開催しました(開催レポートはこちら)。

この度、当日ボランティアとして参加していた高校生と大学生に、「職業人との対話」の時間にフォーカスしたレポートを書いてもらいました。多様な価値観や経験を持つ職業人たちの話を聞いて、実際に対話に参加した高校生や大学生は、何を感じたのでしょうか。
第一弾となる今回は、大学生ボランティアによるレポートです。

〇安定と「回遊魚」

対話を通して印象的な学びとなったのは、安定を求めてその場に留まり、変化を望まないことこそが、かえって不安定な状態を招くのだということでした。旧来の、「大企業に入れば安泰」といったようなものとは正反対の考え方です。世の中が絶え間なく変化しているのだから、自分自身が変わろうとしなければ周りに置いていかれてしまう。だからこそ、どこかに留まるのではなく、動き続けることが大事なのです。

これに関して、それはまさに「回遊魚」のようだという例えがありました。海中を泳ぎ続けなければ死んでしまうマグロやサメのようである、と。とても面白く、同時に非常に的を射た比喩だと感じました。

回遊魚の如く、絶えず動き、変化を求めることこそが近未来の安定志向なのかもしれません。

〇「無駄なこと」にしない

そして、その最中で起こる全てのことを楽しむこと、それが不可能な場合には、糧にしようと努めることが重要です。例えば、新居大介さんがバングラデシュで起こるさまざまな問題に対応する仕事をしていた時のこと。その仕事はいわばクレーム対応で、普通であれば楽しめそうもない仕事でしたが、生じる苦労が「飲みの席での話のネタになる」と考えることで、楽しみながら働けたそうです。

変化を求めて動き続ける際には、もちろん思い通りにならないことも出てきます。だからこそ、それを無駄だと思い不満を漏らすのではなく、「何か学んでやろう」、「何かを得よう」と考えるように努めたいところです。時間は万人に平等に与えられており、その中で生じる不遇と言えるような状況を無駄にするかしないかは自分次第でしかありません。それを自分の学びと捉え、さまざまな知見を蓄えるからこそ、魅力のある職業人たちのようになれるのでしょう。

また、たいていのことは糧にできるという意識があるからこそ、行動を起こすことができるのではないでしょうか。変化にはリスクが伴うからといって躊躇してしまう人が多い中、そのような考え方ができるのは非常に強みとなっていると感じました。

(以上は、新居大介さんと加藤肇さんとの対話を踏まえています。)

〇人との繋がり

また、「人との繋がり」も大切です。

高野一朗さんは、「リスク分散」の考え方から会社を辞めフリーランスになったといいます。1社から100万円の給料を貰うよりも、5社から20万円ずつ貰った方が良いという考え方です。前者の働き方の場合は、万一その会社が倒産してしまった際の収入は0円になりますが、後者の場合は仮に1社倒産しても80万円の収入が確保されるからです。このような働き方は、世の中の流れや常識が絶え間なく変化し、いつ何が起こるかわからない現代において、ひとつの有効な方法だと感じました。

そしてその働き方の中で重要なのが、共に仕事をする相手を選ぶ際に、その人と仕事をしたとして楽しいと思えるか、やろうとしていることに共感できるか、などを考えることだといいます。そう思える相手との良好な「繋がり」を作ることが大きな意味を持つのです。

働く以上、お金はもちろん大事な要素ですが、誰と、何を、何故やるのかという「人間味」のような部分を大切にする意義は大きいといいます。

また、フリーランスとして働くにあたり、はじめは「自分の価値をどう設定するか」が難しかったそうです。具体的には、自分を売り込む際の金額をどのくらいにするのか、どのような報酬の仕事を受ける、ないしは断るのかという点です。最初は、いわば「安売り」してしまうことも多かったそうですが、試行錯誤を重ねるうちに改善していったといいます。これに関して、若いうちに、自分で価値をつける練習をしておくと良いという話がありました。職業人は、メルカリで所有物を売ることだって立派な練習になると述べていました。これなら今日からでも実践できそうです。

(以上は、高野一朗さんのお話を踏まえています。)

〇「変化」と、「繋がり」

今回の対話から、変化を求めそれに伴う状況を楽しみ、糧にし、良い繋がりを作ること。それが近未来の安定志向の一つの形なのかもしれないと感じました。

加えて、今回対話をした職業人たちは皆楽しそうに話をしていたのが印象的でした。その様子から、楽しんで仕事をしているということがよく伝わってきたのです。めまぐるしく変化する社会の中で、変化を恐れず、楽しみ、彼らのように充実した働き方ができれば良いと思いました。

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