2019/3/12(火)、都立国立高校にて、高校1年生を対象に近未来ハイスクールを開催しました。今回のテーマは、「実は誰でも持っている、挫折をバネにするメンタルと面白さを見いだす発想力」です。

さまざまな経歴を持ち、充実した日々を送る職業人たちも、それぞれ少なからず挫折を経験し、それを乗り越えてきたはずです。そんな職業人たちと高校生が、対話を行いました。 

今回の近未来ハイスクールでは、トークセッションの時間が3分割され、職業人と高校生の間で、多くの交流が生まれました。

1回目のトークセッションは、職業人たちがランダムに振り分けられて2人1組のペアとなり、さらにそのペアたちが各クラスに無作為に配置されるという形、2回目のトークセッションは、職業人が仕事の大まかなジャンルごとに2人1組のペアを作り各クラスにランダムに振り分けられるという形、3回目のトークセッションは、高校生たち一人一人が、対話を行いたい職業人を選んで集まるという形で行われました。

このような方法によって、高校生たちが現在興味を抱いている分野と、現段階では特に興味を持っていない分野の、双方で活躍する職業人たちの言葉や考え方、生き方に触れることができたはずです。

15名もの職業人たちと、約300人にのぼる高校生たちが参加したため、行われた対話の全てをレポートすることは事実上不可能であるため、ここでは対話の抜粋という形でレポートしていきます。

挫折への特効薬〜多角的視点〜

まず印象的だったのは、職業人たちの「挫折」というものに対する姿勢です。

仁木さん、水野さんペアと高校生たちとの対話の中で、挫折とは、自分の視点のみから出来事を見たときに生じるものだ、という趣旨の発言がありました。つまり、挫折とは主観的なものだと言うのです。挫折と思えるような出来事でも、それを違う角度から見れば、自分にとってプラスとなるものかもしれません。だからこそ、複数の視点で多面的に物事を捉えることが役立つと言います。これにあたって、人と話すことや、またはある種二重人格のように自分の中に複数の視点を持つ技術も有効となるのです。

また、人生は過去から現在、そして未来へと全て繋がっているものであると考えれば、失敗は成功よりも自分の中に残り易いため、その先の人生に活かすという観点から非常に意味のあるものだと言えます。だから、最も大切なことは、たとえ失敗や挫折と思える出来事に直面しようとも「人生を続けて行くこと」だ、という話は、とても納得的でした。

高校生たちは、職業人が述べるこれらの考え方に対して、真面目な表情で真摯に向き合っている様子でした。また、この対話の中で、ある高校生が「怪我のせいで打ち込んでいたスポーツを辞めざるを得なくなる」という経験をしたと打ち明けていました。この高校生は、現在は別のスポーツに励んでいるとのことで、これを聴いた職業人たちは、挫折の乗り越え方は人それぞれで、そういった経験はこれからに活きるはずだと述べていました。

挫折もチャンスも紙一重

また、増田さんが述べていた、「挫折もチャンスも表裏一体。大事なのは、行動を起こすこと。」という内容も非常に印象的でした。 

増田さんは、それ以前に勤めていた会社を辞めてまで勤めたいと思い受けた会社の面接で不採用となってしまった際、その挫折を挫折だとは捉えずに、すぐさま行動を起こしたと言います。具体的には、その会社を志望し惜しくも不採用となってしまった経緯やそこから学んだことをブログに書き残したのです。すると、その会社の社長が偶然それを見つけ、「そんなに働きたいなら」と言って働かせてもらう運びとなったと言います。このように、挫折と呼べるような出来事に見舞われたとき、0.1%でもチャンスがあれば行動を起こすべきだと増田さんは言います。0.1%の可能性が、どうすれば100%になるかを考えてとにかく行動するのです。 

増田さんが自らの体験談を面白おかしく話す中、高校生たちは時に笑いながら、また時に真剣な眼差しで、それを聴いていました。 

その後、一人の高校生から、「文化祭でやりたいことがあるが、時間とお金の制約がネックになっている。どうすれば良いか?」という質問が職業人たちに投げかけられました。これに対し、水野さんと増田さんは、考え得る限り選択肢を出し、それらを即座に行動に移すことを提案していました。実行する前から「きっと無理だ」と考えて諦めるのではなく、とにかくやってみることが重要なのです。それが人を巻き込む、すなわち手を貸してくれる人を得ることに繋がると言います。そしてその際には、「なぜそれをやるか、やりたいか」というビジョンを訴えることが不可欠で、共感なくして人を巻き込むことはできないと述べていました。 

「きっかけ」を作る近未来ハイスクール

第3のセッションでは、高校生ひとりひとりが、それぞれ話を聴きたい職業人を選ぶということもあり、テーマに沿った話にとどまらず、その職業に関するより専門的な話もなされていました。 

このように、近未来スクールでは、何らかのテーマを補助線とし、職業人と高校生たちの間で、考え方などの交流から、高校生たちの現在の悩みについての意見交換、そして具体的な「仕事」についての話まで、多岐にわたる内容で対話が行われます。 

その際に忘れてはならないのは、職業人たちの中に「答え」がある訳ではないということです。対話を通じて、「さまざまな生き方や考え方があるのだ」という事実を実感することそれ自体に意味があるのだと思います。 

それが、自分自身やその将来について考えるきっかけとなる可能性は、大いにあると言えるのではないでしょうか。 

職業人、高校生共に多くの参加者で行われた今回の近未来ハイスクールも、大盛況のまま終了しました。次回の近未来ハイスクールも、非常に楽しみです。