社会課題をワクワクする体験と共に考える。美味しく楽しくフードロスを考えた夏休み
開催レポート
2019年8月5日(月)と6日(火)、夏休みのこの時期に外の気温よりも熱気のこもった近未来ハイスクールを開催しました。テーマは「フードロスを減らすには?~10代と考える10年後の食の未来~」です。1日目は、フードロスの現状を知り、自分たちに何ができるのかを参加者全員で考えました。続く2日目は、実際の企業の取り組みを聞き、その企業の商品をヒットさせるための方法や新しいキャッチフレーズを考えました。
中高生約30名と変人が各日10名ずつ参加し、様々な角度から「フードロス」という社会課題に向き合いました。
今回企業として協力してくれたのはZENB JAPAN(ミツカングループ)。“「食べる」のぜんぶを、あたらしく。”というスローガンを掲げているZENB JAPANでは「ZENBペースト」と「ZENBスティック」という野菜の皮や芯までまるごと食べられる商品を提供しています。
変人は、マーケティングのプロ・農家・大学の研究者・現役高校教員・コピーライティングのプロ・エンジニア・商品開発のプロなど今回も豪華な顔ぶれが勢ぞろい。参加した生徒を大人の視点やそれぞれの専門分野ならではの視点から参加者をサポートします。
1日目のテーマは「フードロスの現状を知り、解決策を考える」です。農林水産省の三浦寛子さんは家庭で起きるフードロスや流通・小売で起こるフードロスについて解説します。野菜農家の松下信也さんは野菜農家から見るフードロスや思いを語りました。自分たちで事前に調べてきた解決方法と、二人の変人から話を聞いて新たに感じたことをもとにグループでフードロスを減らすには何ができるか、本当の課題はどこにあるのか、を考えました。参加者から「自分一人で、スマホで考えるのとは違って、いろんな考えが聞けて話を深められたのがとても面白かった」と感想があったほど、各グループがフードロスを身近に捉えて、明日から何ができるかを考えられた1日でした。
2日目のテーマは「実際の企業の取り組みや思いを知り、その魅力を広める」です。ZENB JAPANの石垣浩司さんが、ZENBの思いやミツカンの歴史、ZENBスティックやペーストの栄養価などを解説します。消費行動を研究している加藤肇さんは「見方を変えれば成功が見えてくる」として、次のワークを柔らかい頭で様々な角度、視点を持って臨んでみよう、と話します。
グループワークでは、ZENBの商品の良いところ、悪いところ、もっとヒットさせる方法、新しいキャッチフレーズを考えました。実際に食べてみないことには、考えはまとまりません。ZENBスティックやペーストの試食、また野菜ソムリエの松本久美子さんのペーストを使ったアレンジ料理が全員に配られ、みんなで食べながらワークは進行します。美味しい料理と野菜のおいしさがギュッと詰まったZENBの商品に、会場は大盛り上がりです。各グループ、発表の内容は素晴らしいものになり、ZENBチームのみなさんも驚きのアイディアが飛び出します。
発表されたキャッチフレーズ(一部抜粋)
「地球と私に健康補給」
「Z(ザクっと)E(栄養)N(いつまでも)B(バランス)」
「新しい野菜、どうですか?」
「このお菓子マジ卍 超ギッシリ野菜祭り」
「いつでも どこでも まるごと」
1日目も2日目も新しい知識のインプット、意見交換やプレゼンテーションなど、学校だけでは経験できないことが沢山ありました。参加した中高生からは「試食があったのは美味しかったし、実際に商品開発の職業体験のようで、学生なのに貴重な体験ができた。ただ机に向かっているだけでは学べないことが二日間で学べた」「インプットが面白かったです。知らなかったことを知れてみんなでディスカッションしたことで考えを深め、新たな課題に気づけた。発表して他のグループとこんなに考えが違うことに驚いた」などの声が挙がりました。他校生や近未来ハイスクールの変人(職業人)、普段接することが中々ない企業の方との対話を楽しみ、刺激の多い2日間となりました。
また、参加した職業人やZENBチームのみなさんからも「同じものを食べても180度違う感想が出るのは面白かった。みんなまとめる力が強くて感心する」「矛盾の中に身を置くことで悩む機会が生まれる。目の前でそんな光景がくり広がっているのが面白い」「(2日目の参加者の発表を受けて)面白かったし、とても参考になります。顧客目線の重要性をあらためて感じました」と感想が挙がりました。
「フードロスを減らすには?~10代と考える10年後の食の未来~」
■日時 2019年8月5日(月)~6日(火) 13:00-17:00
■場所 ワテラスコモン 1階サロン
■参加者
5日参加者:中学生3名/高校生26名/大学生4名/見学者4名/職業人9名 計46名
6日参加者:中学生2名/高校生24名/大学生2名/見学者2名/職業人9名 計39名
■協賛 株式会社ZENB JAPAN(ミツカングループ)
■主催 近未来ハイスクール(株式会社オプンラボ)
■終了後のアンケートより参加生徒の声(抜粋)
―1日目
自分が意識せずに捨ててしまっているものが多くてびっくりした。見えないフードロスと言う言葉に色々なことを考えさせられた。
今回のような話の場にもっと参加したり、中心となって企画してみたい
農林水産省の方が話していたようなことを別の立場から聞いてみたい。企業によってフードロスへの意識が違うと思う。
―2日目
見た目によってそれを食べようと思うかが決まるので、食の見た目とフードロスということで考えるのも良いと思った。
食べられないと思っていたものも食べられるようにできるZENBに就職してフードロスの改善に取り組みたいと思いました。
自分達でオリジナルのキャッチフレーズを考えることで、商品が少し身近に感じられた。