開催レポート

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主体的に考えるについて保育士から高校の先生まで対話する(10/13開催)

主体的に考えるについて保育士から高校の先生まで対話する(10/13開催)

先生を対象としたトークイベントを開催しました。保幼小中高の先生6名が登壇し、参加者も交えて白熱した意見交換がされました。先生と語る近未来ハイスクール 「保幼小中高そして社会との“接続”というよりむしろ“ゆるくつながろう” 主体的な学びの支援と外部連携」開催レポート

前日の大型台風19号の影響で、次々に欠席の連絡が入りました。「今日は電車が止まっているため大変残念ながら行けません。とてもよい活動だと思いますので、応援しています。」 一時は開催するかどうか迷いましたが、その言葉に後押しされ、開催することを決めました。交通機関の乱れがあったにもかかわらず、最終的には20名の参加者が集まり、大変熱気のある会になりました。

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主体的に考え、リーダーシップを発揮し、挑戦する子供を育む

前半は「主体的に考え、リーダーシップを発揮し、挑戦する子供を育む」をテーマに 堀内亮輔さん(保育士・プレイリーダー)、小島大樹さん(小学校教諭)、木村裕美さん(都立高校教諭)の3名が登壇しました。

堀内さんは、子どもたちが、運動遊びでの他者と関わり通じて、自分で考えて行動するような保育の場づくりを展開。子供たちの直感的な動きを尊重する。大人がすぐ手をだすのではなく「勇気を持って見守る」大切さを強調しました。

小島さんは主体性を育む機会として行事をあげます。例として、小学校5年生が運動会の演技を生徒たちが提案してくるまでの様子を紹介しました。実際に提案にきたあと、入場から隊列、退場まで生徒たちにまかせました。

木村さんは、某大学のリーダーシップ研修を受け、大学生の変容の大きさに衝撃を受けたことを紹介しました。他者と影響を与えながら、その全体のもとに自ら考えて行動するリーダーシップ教育は専門の家庭科の教育に役立と考えます。

学びと遊び

今回とくに話題になったのが「学びと遊び」でした。保育園・幼稚園では、遊びの中に大人都合の「教える」を入れてしまうことで子ども好奇心の芽をつみとってしまうケースもあること。高校の先生からも「学ぶことは楽しさがないと、本当に体に入ってこない」という話があり、いかに面白いと実感させられるかどうか、子どもたちが没入するほどのめりこめる学びの場をつくれることの大切さを確認した場になりました。

ちいさな子供たちは本来自由な発想を持ち合わせています。好奇心いっぱいで大人の想像を超えてくる。「先生みて!ダンゴムシ5匹つぶしたよ!」という子どもに対して、命は大切だと戒めるのか、それともその行動を見守るのか。場面場面で判断は難しいこともありますが、大人は彼ら彼女らのすることを見守る勇気が必要。彼らが感じること、行動を受け入れ、その先に進む後押しをしてあげることが大切だといいます。

小学校からは「静かに座っていること」「アナログ時計がよめること」のように〇〇ができるようにという画一的な教育も必要になってくるので、その枠に子どもたちが沿うことを求められ、いつの間にか子供本来の行動が息をひそめてしまうことがあります。学校教育では、基本的な指導、教育はもちろん必要ですが、生徒たちが自由な発想、行動を発揮できる場づくりをすることが大切。その場づくりのヒントをそれぞれ紹介しました。

転職、複業、社会人大学院、教員が切り開く学校外との接点・連携、そしてキャリア

後半は「転職、複業、社会人大学院、教員が切り開く学校外との接点・連携、そしてキャリア」がテーマ。大野智久さん(私立高校教諭)、森川大地さん(公立高校教諭)に加え、交通機関の関係で参加できなくなった石川一郎さんの代わりに、急遽ファシリテーターの逸見峻介さん(公立高校教諭)が登壇しました。

逸見さんは、大学を卒業後8年間、現在の公立高校に勤めています。新たな武器を備えるために3ヶ月間大学で学び「ワークショップデザイナー」という2枚目の名刺を持ちます。歴史の授業で積極的にワークショップを取り入れています。

大野さんは、都立高校に13年勤務した後、公務員を辞めて、現在は私立高校で教鞭をとります。苦手を伸ばすのではなく、得意を伸ばし、苦手は他者と協調していけばいい。「強み」を自覚し伸ばし、活用していくことが大切だと語ります。

森川さんは、高校で教えながらグロービス大学院でMBAを学びました。生徒に進路の話を、もっと実感をこめて話したいと考えたからです。行ってみると実は企業も学校も共通した悩みが多いことにきづいたといいます。

先生が学ぶ・成長する

後半のパネルディスカッションでは先生の複業、転職、社会人大学院など、先生自身のキャリアについて考える場となりました。キーワードは「先生自身が常に挑戦し続ける」。登壇者は複業、転職、社会人大学院など経験した道は多様ですが、まずは自分自身が進化していくことが大切だと口を揃えます。

また「外部との連携の必要性」も強調された点のひとつでした。学校以外の外部の人たちとつながりをもつことは、先生自身についての気づき、そして成長につながるからです。また、子どもたちには学校という定規を取り外し、行動変容のきっかけづくりをしたい。そして、その変化に続くものをしっかり見守っていきたいと語りました。

「先生と語る近未来ハイスクール〜保幼小中高そして社会との“接続”というよりむしろ“ゆるくつながろう” 主体的な学びの支援と外部連携」実施概要

■日時 2019年10月13日(日) 15:00-19:00
■場所 市民会館うらわ
■参加者 20名
■主催 近未来ハイスクール株式会社オプンラボ

終了後参加者アンケートより(一部抜粋)

教員の成長としてワークショップや様々な人とのつながりをもらいたいと思って参加しました。今回、様々な側面から横断的な視点で見れたので、自分の視野や知識を広げることができました。これをさっそく活かしていきたいです。(中学校教員)

悩んでいることへのヒント、これからも学んでいきたい!!とパワーを頂きました。子供たちの強み、自分の強みを考えていきます。来て良かったです。(教員)

こういう場に同僚を連れ出したい。(教員)

考え続けることの魅力そのものを子供達に感じさせたいです。
今日、聞きながら考え、楽しかったです。(小学校教員)

専門外の話が聞けて有意義でした。教育に関する、今日のような議論は、メディアで広めていく必要性を感じます。(映像プロデューサー)

教育の話をききに来たつもりが、自分の仕事、働き方にも通ずる話で、良い意味で裏切られました。(新聞社勤務)

素晴らしい実践をされていて、凄いことだと思います。これが幼〜高〜社会まで続くようになるのを切望しています。このような努力をされている方々を応援する世の流れが必要だと感じました。(一般企業勤務)

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