コラム

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山登り型だけじゃなく、川下り型のキャリアもいいもんだ

松本暁義さんのカバンはいつもパンパンです。常にPCと本が数冊入っているからです。同級生に聞くと、大学生時代は二宮金次郎みたいだったと言います。リュックを背負って、歩きながら本を読んでいたからです。

松本さんは、大学の農学部で林業と行政学を学び官僚を目指します。しかし、卒業と同時に飲食店へ。未成年には縁がない渋谷の円山町というエリアの焼き鳥屋さんで焼き鳥を焼き、そして辞めます。

ある日、同級生が自分の勤めているITの会社に入らないかと声をかけます。「二宮金次郎」と松本さんを表現したあの同級生です。

もともとITは怪しいと思っていた松本さんですが、あまり日本では出会わないインドの会社であること、クラウドという広がり始めていたサービスであることなどに興味を持ち、ゾーホージャパンに入社します。

入社し、仕事をしていくと一転、ITの可能性に強く関心を持ちます。ゾーホーの製品群(顧客情報管理や人事管理の仕組み)の認知を広げる戦略を練っていくという仕事でした。

製品を理解するためにプログラミングを独学で習得し、簡単なアプリであれば自分で開発します。また本社から送られてくる英文の新製品の解説文書を翻訳もします。日本語に語順が近いといわれている南インドのタミル語も特技のひとつとなりました。

6/3の近未来ハイスクールで一緒に話をする、マイクロソフトなら聞いたことがあるでしょう。freeeもIT系の詳しい大人に聞いたら知っていると思います。ただ、Zohoを知っている大人は周りにもあまりいないかもしれません。でもインドのIT関連企業では最大級の会社です。若い世代の教育にも力を入れており、選抜試験に通った10代の学生は、無料でZohoが運営する学校に通うことができます。生活費もZohoが負担するので、むしろお金をもらって最先端のITの勉強ができるのです。

3/25の近未来ハイスクールで、松本さんは高校生からこんな質問されます。
「松本さんの経歴の話を聞くとかなりふらふらしてるように見えるんですが・・・」

松本さんは、ゾーホージャパンに誘った友人から失業中に借りた本を思い出します。そこにはキャリアには「山登り型」と「川下り型」があると書かれていました。

山登り型はイチローや本田圭佑選手のように子供の頃から夢や目標をもってあの山を登るぞ!と決めてそれに向けて進んでいき実現させるというキャリアで、川下り型は大まかな流れはあるもののどこに下っていくかわからず左右にふらふらしながら進んでいくキャリアのことでした。

「その本では川下りもいいもんだという趣旨のことが書いてありました。大学までは山登り型のキャリアの話しか意識してこなかったので、軽い衝撃を受けました。それが今にもつながる1つのきっかけ、というか考え方のヒントにもなってる気がします」

いま松本さんは、役立つ製品を開発し、得た利益で社会貢献をするZohoで働くことに、誇りを持ち、毎日充実した日々を過ごしています。

オプンラボ 小林利恵子

■松本暁義さんが登場する6/3 近未来ハイスクールの申し込みはこちら
https://www.kinmirai.co/2017/04/29/itglobal/

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