2019年11月6日、浦和高校の 「総合的な探求の時間」の一コマを、近未来ハイスクールがサポートしました。「問いからゆさぶってほしい」が、浦和高校から協力を依頼された、近未来ハイスクールの変人たちに期待された点でした。

学習指導要領の改訂により、高等学校の「総合的な学習の時間」は、2022年度から「総合的な探究の時間」に変更されます。平成31年度入学生から先行実施となったため、2019年に入学した高校1年生が初めて「総合的な探究の時間」を受けることになります。

今回、浦和高校でこの「総合的な探究の時間」の内容づくりに関わっている浦和高校の森川大地先生から協力して欲しいと連絡がありました。そこで、近未来ハイスクールは2時間の授業に入り、問題解決に向かう生徒たちへ、変人の視点からさまざまな投げかけをする場作りをしました。

浦和高校は1学年9クラス(1クラス約40名)あります。今回18名の変人が40人に対して2名つくかたちでサポートします。

浦和高校では、総合的な探究の時間を年間で4期に区切り、それぞれのタームでテーマを決めて、最後に発表の場を設けます。問いを立て、解決策を決定し、実施するプロセスを4クール設定、徐々に探究の密度を濃くしていこうというねらいがありました。「浦高の課題を解決しよう」というテーマで始まったこの3クール目、11月6日はその授業の一コマです。

1クール 課題の発見・問いの立て方。身近なことで興味のあることを見つけ、問いを立てる。
2クール 解決策を考える。
3クール 課題を実際に解決してみよう
4クール SDGsの中から自分の関心のある課題を選び、解決策を考える

クラスを超えたグループ編成がなされ、およそ一クラスに10グループ。いつもの先生とはちがう、外部から来た変人2人が投入された各クラスでは心地よい緊張感が漂いました。これまでの授業では、問いを立てるブレストをし、同じ課題を共有したメンバーがひとつのグループとなり、課題解決に取り組んできました。グループの進度の差はあれ、取り組んでいる課題解決策を変人にプレゼンテーションするところから授業がスタートです。

グループ解散したいならすればいい

変人に共有された各グループの課題と検討中の課題解決策は全体の4割以上のグループが浦和高校の美化に関する問いでした。君たちは学校をきれいにすることに本当に興味があるのか? 考えやすいと感じたゴミの問題を安易に題材にしてはいないか? 変人が生徒たちに問います。そして、問いを立てることの意味、重要性を説いていきます。「課題を変えたっていい」「グループを解散したっていいんだぞ」と根本をゆさぶっていきました。各グループのプレゼンテーションに対する変人の的確なアドバイスが続きます。

授業フロー
・各グループの進捗プレゼンテーション
・変人からフィードバック・アドバイス
・課題解決へ向けたグループワーク
 変人から各グループワークへのアドバイス
・成果プレゼンテーション
・生徒同士の評価
・変人からの振り返り

以上のような大まかな流れの枠はつくりましたが、変人はそれぞれのクラスの進捗、反応にあった方法で進めていきました。実際、企業で行われている課題解決を題材にするなどし、変人からは課題解決への考え方、スキルを生徒たちに伝えました。

やっぱりゴミ問題は浦高生にとって大きな問題

変人からのアドバイスによって、深くディスカッションができた、自分になかった考え方で刺激を受けたという声もきかれ、解決策をしっかり検討することができたり、問いそのものを初めから考えなおし、本当に解決したいことに変更したグループも出てきました。しかしながら、とても興味深かったのは、やっぱりゴミ問題は浦高生にとって大問題だったということ。毎日遅くまで勉強する教室がきたないことは彼らにとっては死活問題だったのです。彼らの問い立て、考えは一本の筋が通っていました。この点については、逆に大人が杓子定規な考えでみてしまったのだという気づきとともに反省もあったと変人がいいます。生徒たちの学びとともに、大人である変人たちも大いに刺激を受けたと話していました。

今後の総合的な探究の時間にむけて

探究の授業はスタートしたばかりです。先生たちは前例のない状態で、試行錯誤しながらカリキュラムを作っています。今回、他の学校の先生から見学したいという問い合わせも数件ありました。近未来ハイスクールでは、授業でもっとも鍵となる「問いを立てる」について、ビジネスの現場で経験を積んだ変人たちが切り込んでいくスタイルを提供しました。
4クール目、最終的に彼らがどのような問いをたて、解決策を提案するのかとても楽しみです。

授業後のアンケートより(一部抜粋)

課題を探求するための根本的な考え方や方法を例や事実を交えながら分かりやすく、楽しく学ぶことができた(生徒)

講師の方の話を聞いて、より自分たちの興味のあるテーマに変えられ、今後の見通しがよくなった(生徒)

「周りと違うことをする」「別解を探す」という言葉が胸に刺さった(生徒)

色々な意見を出すことの重要性を理解できた(生徒)

社会人の方から高校生では考えられないアドバイスや発想の転換の仕方などを教われた(生徒)

みんなと同じ答えが正しいわけではない、マイナー意見ほど重要だということがわかった(生徒)

問いの解決方法についてあらゆる方面から情報を得て議論することが重要であるということに気づいた(生徒)

外部の方の刺激が生徒を動かすエネルギーになっているように見えた。また、内容がこちらが伝えたいと思っていたことと合致していた(教師)

立てた問いに対して、解決策を考え、その効果を検証して、再度方策を練り直すなどして行く中で、探究で行き詰ったところで本日のような外部からの刺激は効果的だと思う(教師)

いろいろな視点からアドバイスをもらったので、再度ブレインストーミングが出来て、違う角度から課題を考えられたと思います。この後の生徒の変化が楽しみです(教師)

現役の15-16歳の高校生と面と向かって授業のような形で話が出来ることは非常に貴重な経験でした(変人)

生徒たちが真面目に取り組んでくれたこともあり、想像以上に充実感のある時間を過ごすことができました。生徒たちも同じ気持ちだったらうれしいです(変人)

登壇変人プロフィール一覧(50音順)

変人とは、エッジのたったプロフェッショナル。変化をする人、学び続ける人、楽しくワクワク仕事をしている人。近未来ハイスクールでは変人と高校生をつないで、将来のための行動変容のきっかけをつくります。

青野 祐治(あおのゆうじ)
ローカルストーリーメディア「KOSHIGAYAZINE」編集長/地域編集者/ムードメーカー/元コピーライター「越谷が面白い」の空気をつくり、この街を盛り上げる。そして、個が伸び伸びと活躍できるチームづくりを目指します。 1987年越谷生まれ、越谷育ち。越谷西高→青山学院大学卒。博報堂やフリーランス、スタートアップなどでプロデューサーやWeb編集、コピー、スピーチライティング、PRプランニング、マーケティングなどを経験。大の巨人ファン。旅と牡蠣が好き。「KOSHIGAYA HAYAOKI PROJECT」プロデューサー。「越谷ミライトーク」ファシリテーター。「K Curry」プロデューサー。

コンセプトワークス株式会社/独自化戦略コンサルタント/ニッチ戦略士コンセプトワークス株式会社/独自化戦略コンサルタント/ニッチ戦略士
1973年生まれ。リクルート(現アントレ)発行の起業支援情報誌『アントレ』の編集者として、18年間でのべ3000人以上の起業家および予備軍を見てきた。個人的にも起業支援に取り組むなかで、起業家の書籍出版をサポート。これまで70人以上をプロデュースした実績をもつ。2012年より本書の監修者である藤屋伸二氏に師事し、ドラッカー理論をベースとした「ニッチ戦略」を学ぶ。2017年より藤屋氏が主宰するドラッカー理論をもとにした「藤屋式ニッチ戦略塾」は全国6か所で展開されるうちの1つ銀座塾を担当。経営者や個人事業主、起業家予備軍を対象に事業推進、目標達成のためのコンサルティングや研修、パーソナルセッションを行う。

石井 昭紀(いしいあきのり)
株式会社イージフ 副社長CTO
外資系コンサルティングファームからフリーランス、バイオインフォマティクスベンチャーを経てコンサルティングファーム時代の同期と共に起業。ITによる文書管理というマイナージャンルが専門。

岡田 慶子(おかだけいこ)
ユニキャリア 主宰 。自分の感性にピンとくるもの、やりがいのある仕事を求めての、業種・業態・職種に関連性のない10数回にわたる転職経験を持つ。2019年より「あなたを活かすユニキャリアを」というキャッチフレーズを掲げるユニキャリア主宰。自分らしく、納得度の高いキャリアを、時代や周囲に惑わされず選択する人を増やしたいと、講演、ワークショップ、コラム執筆などをとおして発信している。<自分の持ち味>×<知識・スキル>×<環境(人脈)>から、過去由来の未来と、未来由来の未来を結合しての「名乗りワークショップ」や、次世代の担い手である子どもたちのキャリアを考える“親の在り方“を考えるプログラムを開発。地方創成の熱中小学校を展開する一般社団法人熱中学園理事。ThinkAeroBagのアンバサダー。ドキュメンタリー映画「シネマベリ二子玉川」実行委員長。

黒澤 勇(くろさわいさむ)
株式会社共同通信デジタル
取締役兼執行役員
転職を5回経験をしており、人生経験も多数。現在のジョブは海外マーケティングを主としてマーケティングと分析を一番の仕事として従事しております。

小林 啓倫(こばやしあきひと)
経営コンサルタント
1973年東京都生まれ、獨協大学外国語学部卒、筑波大学大学院地域研究研究科修士課程修了。システムエンジニアとしてキャリアを積んだ後、米Babson CollegeにてMBAを取得。その後外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー企業などで活動。著書に『FinTechが変える! 金融×テクノロジーが生み出す新たなビジネス』(朝日新聞出版)、訳書に『シンギュラリティ大学が教える 飛躍する方法』(サリム・イスマイル著、日経BP社)など。

佐藤 恵里(さとうえり)
フレアインターナショナル 代表/通訳案内士/環境ジャーナリスト/ジャパンブランド育成支援事業アドバイザー
上智大学文学部英文学科卒業。グローバルな視野や問題意識から新しい価値観の創造を目指すイニシアチブに参画し、各国を代表する環境専門家や未来学者らとの親交を深め、1995年にフレアインターナショナルを設立。国際間の技術移転を推進。著書:『テクノストレスに効く55の処方箋』(2002年)2004年に国連本部(NY)にてアートによる平和の文化啓発プロジェクトを発足し世界各国で平和の絵の展示活動を行う。同年、中東の紛争地域の青少年を日本に招聘し里山での交流活動を行うNPO法人Peace Field Japanの設立に参画、現在副理事長を務める。

佐藤 達郎(さとうたつろう)
多摩美術大学 教授(広告論/マーケティング論/メディア論)
個人事務所「コミュニケーション・ラボ」代表として、クリエイティブスーパーバイザー・執筆・講演・研修・アドバイザーとしても活動中。2004年カンヌ国際広告祭日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK(アサツー ディ・ケイ)→(青学MBA)→博報堂DY→2011年4月より現職。ADKでは、クリエイティブ戦略本部長/クリエイティブ計画局長として、約200名のクリエイティブ部門の人事・組織・ビジョン策定を担当した。受賞歴はカンヌ国際広告祭、ACC賞等。審査員としても多数に参加。著書に『「これからの広告」の教科書』、『教えて!カンヌ国際広告祭』、『自分を広告する技術』等がある。

佐藤 浩志(さとうひろし)
アイノバ株式会社 代表取締役
ブランディングプロデューサー
編集者
毎日新聞、ソフトバンクなどの出版部門を経て、独立し、現職。

清水 豊(しみずゆたか)
マイクロソフト
ビジネス開発(日本マイクロソフト)
携帯キャリア、ペンタブレットメーカーを経て現職。マイクロソフトのサービスの普及とともに、新技術であるAIやIoTやなどを活用したマーケット創出に挑戦。学生時代は実家の焼肉屋の店長をつとめ、大繁盛させる。

鈴木 健(すずきたけし)
株式会社ニューバランスジャパン DTC&マーケティングディレクター
1968年生まれ。神奈川県横浜市出身。1991年慶応義塾大学文学部卒。広告代理店を経てナイキジャパンのマーケティングでゴルフとウィメンズトレーニングを担当、そして現在ニューバランスジャパンでマーケティングおよび直営店、Eコマースの事業責任者を担当。

高野 光一郎(たかのこういちろう)
読売新聞東京本社
記者だけど今は総務部
浦高弓道部出身。
自称Uの底をくぐった代の部長。高校3年夏から1年間休学して米国留学し、1期後輩のクラスに戻って2~3学期を送る。部活の同期はみな浪人だったので、大学入学でまた同期に(笑)

高山 智司(たかやまさとし)
トランスコスモス 株式会社 執行役員/公共政策本部統括責任者
公共政策シンクタンク代表理事
EdTechJapan プロデューサー
元衆議院議員
内閣府/環境省

長野 博一(ながのひろかず)
福島大学 准教授
専門:都市計画、公共政策、ユニバーサルデザイン、社会調査、まちづくりなど
学位:博士(工学)
資格:専門社会調査士など
1978年生まれ、越谷市在住、3児(全員娘)の父。民間企業に就職後、東京特別区の行政官に転職、現在は福島大学に勤務、民官学を経験。・民間企業⇒肌に合わず・公務員⇒肌に合わず・大学教員⇒まあ、普通・個人事業主⇒未経験なので不明・無職⇒さすがに働いたほうがいい

平林 元之(ひらばやしもとゆき)
平林元之公認会計士事務所 所長
長野県松本市出身。一橋大学法学部卒業。公認会計士として監査・経営コンサルティングサービスを行う傍ら、「お金の先生」として、小中高大学生向けに、お金・会計を楽しく学べる授業を開催している。また、趣味のトライアスロンで会得した””疲れにくいカラダづくり””メソッドをもとに、予防医療・健康増進活動にも取り組んでいる。

二口 英幸(ふたくちひでゆき)
株式会社ラグーン 代表取締役
大手SIer・IT関連企業等でシステム責任者として多数のシステム開発プロジェクトに従事。システム構築や情報セキュリティ、IT統制など、企業における情報システム全般を取り仕切る。2015年より経営コンサル、システム開発、投資事業等を行う株式会社ラグーンを設立。

前田利恵子(まえだりえこ)
株式会社MOF 代表取り締まられ役社長
社会福祉法人 杉樹会 理事
東京女子医大糖尿病センター 非常勤講師
千代田区障害者よろず総合相談事業「モフカ」運営
一般社団法人臨床心理福祉協会あすぴれんと理事
一般社団法人ワーキングバリアフリー 理事